特集 美しいナースであるために
健康と美は足下から—ナースシューズについて
鈴木 精
1
1日本大学医学部整形外科学教室
pp.449-454
発行日 1988年5月1日
Published Date 1988/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921982
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ナースシューズを科学する
わが国における靴の歴史はまだ日が浅く,当然靴に関する医学的な研究は欧米に比べると遙かに立ち遅れています.靴を履くという西洋の習慣は定着しましたが,靴のために起こる足の疾患も増加しています.アメリカではシューフィッターという専門職があります.個々の客の足に靴を合わせることを専門に行なう,いわゆる‘靴合わせのプロ’です.残念ながらわが国ではまだこのような専門職は普及しておらず,また靴の製造業者側と医療者側との協力体制は十分とは言えません.わが国は,デザインの面ではともかく,こと靴の健康面では後進国と言わざるを得ません.
このような背景から先ごろ「日本靴医学研究会」が発足し,第1回学術集会が開かれました.ここでは治療の立場から,スポーツの立場から,また靴を作る側の立場からと各方面からの多くの意見が交わされました.この学会での討議内容はマスコミにも取り上げられ,改めてこの問題に対する反響の大きさに驚かされたところです.
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