連載 高齢化社会の福祉と医療を考える・5
ADL再考
木下 康仁
1
1立教大学社会学部
pp.74-77
発行日 1987年1月1日
Published Date 1987/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921622
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ADLって何?
今回は老人ホームにおけるADLの活用法について考えてみよう.ADL(Activities of Daily Living)には日常生活動作という訳語が定着しているようである.老人を対象とする看護・介護・リハビリテーション業務に携わっている人でADLを知らない人はまず皆無であろう.ADLを抜きにしてはこうした業務は成り立たないほどこれは日常化している.
ところが,ADLとは一体何かと尋ねられてすぐに答えられる人がどのくらいいるだろうか.おそらく大部分の人はADLとは食事摂取能力,身体移動能力といったいくつかの項目からできている,身体機能に関する一種のアセスメント尺度であると答えるであろう.こうした理解が間違っているのではないが,老人ホームという特定の場所を前提に考えるとこれだけでは不十分である.
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