インフォメーション 新しいナーシングケアのために
習慣病
中野 正孝
1
1千葉大学看護学部基礎保健学講座
pp.1344
発行日 1985年12月1日
Published Date 1985/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921259
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‘習慣病’(habit diseases)とは,日野原によれば‘あなたの日常の悪い習慣から来る病気,何年も何十年も毎日繰り返しているあなたの習慣の中に,何か悪い因子があって,そのために病気がだんだんと作られる,そのような病気の総称’ということであり,いわゆる‘成人病’(diseases of the adult)の代わりとして提唱された言葉である.その背景には,成人病という言葉や概念が分かりにくいということがある.
成人病という言葉は,昭和32年に厚生省が初めて用いている.周知のように,我が国では,戦前までは感染症による死亡が死因の上位を占めていたが,昭和30年代になると脳血管疾患などの慢性疾患が上位を占めるようになった.その対策のために生まれた言葉であるが,成人病として扱われる病気の範囲は必ずしも統一されているわけではない.例えば,厚生省の統計でいう成人病とは,死因を5つの群に分け,その中のB群を指しており,糖尿病などは成人病から除かれている.
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