レポート アトランタで開かれた初のエイズ国際会議からのレポート・2
安全なセックスとは何か—25種をこえる性的感染症(STD)のまん延におびえるアメリカ社会
池上 千寿子
1
1ハワイ大学性と社会太平洋研究所
pp.1194-1196
発行日 1985年10月1日
Published Date 1985/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921226
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STDのもう1つの顔女性や子供への影響
エイズとならび現代の若者を脅かしているSTD(Sexually Transmitted Disease:性的感染症)は,クラミジア,淋病,尖圭コンジローマ,性器ヘルペスだ.そして,エイズ以外は‘特に女性と子供が代価を支払わざるをえない深刻な社会問題’(CDC:疾病コントロールセンター,ジェイムス・メイソン医師)だという.‘残念ながらSTDはセクシスト(性差別主義者)’(CDC,マリー・ギナン医師)なのだ.
なぜか?STDのよくある結果の1つがPID(骨盤内感染症)だ.そしてPIDは子宮外妊娠率を高める一方,その痕跡組織による卵管閉塞,その結果による不妊症ももたらす.さらに,妊娠した女性がSTDに感染すると死産・流産率を高める一方,母親に症状はなくても経膣分娩で新生児に感染し,新生児死亡や先天性障害をもたらす.
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