特集 慢性透析者の自立に向けて
慢性血液透析者の運動療法
張 光哲
1
1小田原循環器病院循環器科
pp.416-422
発行日 1985年4月1日
Published Date 1985/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921054
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血液透析療法の進歩と普遍化に伴い,慢性血液透析患者(HD患者)は増加の一途をたどっており,延命とともに快適な社会生活を送ることがHD患者にとって重要な課題となっている.一方,HD患者の心機能や運動耐容能は健常者と比較して低下しており,また心血管系の合併症による死亡率も高いことが報告されている.
近年,HD患者に適切な運動療法を施行することで,社会復帰の障害となっている運動耐容能低下や貧血症,あるいは虚血性心疾患の危険因子である脂質代謝異常や高血圧症などが改善するとの報告がなされ,HD患者の運動療法についての関心が高まっている.筆者の施設では,虚血性心疾患患者に対する運動療法プログラムを用いて,HD患者に運動療法を施行して約3年を経過しており,その効果についての報告もすでに行なっている.これらの経験をもとに,本稿では主に運動療法の施行法という視点から,HD患者の運動療法について述べたいと思う.
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