訪問看護 私たちの実践レポート・9
寄り添って生きる老夫婦を見守り続けた1年の経過から
杉山 美保子
1
1岡山済生会総合病院
pp.1280-1283
発行日 1984年11月1日
Published Date 1984/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661920928
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はじめに
近年急激な社会変動により,疾病構造の変化,人口の老齢化,核家族の増加等いろいろな問題が現れてきている.なかでも人口の老齢化と核家族化に伴う独居老人や寝たきり老人の問題等は,深刻な社会問題となっている.その対応として,‘地域における看護の必要性’を強く求められている今日,当院も1980(昭和55)年4月より,岡山済生会総合病院訪問看護規定に基づき,訪問看護を開始して4年が経過した.
ここで紹介するケースは,脳梗塞後右不全麻痺と糖尿病があり,日常生活すべてに介助を必要とする夫と介護する妻のケースである.退院後1年間,リハビリテーションと糖尿病のコントロールを中心に訪問看護を行い在宅療養をしていった.この1年病状の悪化もなく,退院時の状態を維持することができたので,ここに報告するとともに,医療機関からの訪問看護の役割を考えてみたい.
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