保健婦活動—こころに残るこの1例
自立した気持ちの老夫婦から学んだこと
佐藤 るり子
1
1新潟県村上市役所
pp.646
発行日 1990年9月15日
Published Date 1990/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900181
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私は,保健婦になって9年目です.9年間の間に,多くの方々と出会い,いろいろなことを教えられてきました.その多くの方々の中に,職場の机の引き出しを開けるたびに思い出す老夫婦がいます.私の引き出しの中には,「お雛様とお内裏様」が入っているのです.それは,5cm位の竹カゴの中に入っていて,顔は大豆で,着物は和紙で作られている,かわいい「お雛様」です.
その老夫婦に出会ったのは,昭和58年ごろでした.69歳の夫は,会社を退職して,町内の老人クラブの会長をしていて,私に時々健康教育を依頼しに来ていました.3歳年下の妻も,積極的に老人クラブの活動をしている明るい方で,家庭を守り,自分で子供を育て,趣味は手芸と料理とスポーツでした.2人は年金暮らしをしていました.
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