ちょっと一言 総婦長のつぶやき
今なお,学びつつ……
細井 恵美子
1
1京都南病院
pp.88
発行日 1984年1月1日
Published Date 1984/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661920679
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‘子育てと老後のためにとはいえ,看護の仕事に魅せられて働きつづけてきた30有余年,気がついてみると50歳の坂を半ばまで登っていた.親も子も,そして自分も健康であった時は,仕事の充実感におぼれ,顧みることも少なく過ぎていたように思う.しかし,母の死に逢い,重態の病父を看とる日がきて,やがては我が身に訪れる病と老いと死について考えるようになった.
ある時,子と一緒に読んだ“幸うすき人々の園をたずねて”という神谷美恵子姉のエッセイに‘病むのは彼らであって,何故こちらではないのか……この疑問が苦しいまでに湧きあがってくる’と書いてあった.
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