グラフ
痛みの訴えを疑ってはいけない—関東逓信病院ペインクリニック科病棟での痛みの看護
石森 陽子
,
岩下 守
,
本誌
pp.496-501
発行日 1982年5月1日
Published Date 1982/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919542
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ペインクリニック科の外来はかなりの病院にできるようになってきた.しかし病棟までできている所は少ない.関東逓信病院(東京・品川)にペインクリニック病棟が開棟されてから6年,痛みに苦しむ多くの患者が全国から集まり,ベッドは常に満床.患者は三叉神経痛,帯状疱疹,腰下肢痛,癌性痙痛などが多いが,その痛みの強さ,その苦しみの深さは健康者にとって到底計り難いものである.
健康な者が日常経験する腹痛,頭痛,歯痛などでさえ,思いは痛みに集中し,まさに全身が痛んでしまう.全身をこわばらせ,歯をくいしばり痛みに耐えている患者が入院するのを見ると,看護婦はなんとしてでも痛みを和らげたいと願う.痛みが続いている患者には,たとえ一瞬であったとしても痛みがとれる時間は必要.その時感じる患者の安心感はとても貴重なものである.
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