特集 クリティカル・ケア
ICUにおけるケアの個別性について—ICU看護の盲点を探る
村松 静子
1
1日本赤十字社医療センターICU
pp.1387-1391
発行日 1981年12月1日
Published Date 1981/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919418
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はじめに
救命を目的としてICUに収容される患者は,生と死とが背中合わせの非常に危険な状態で入室するのが常である.そのため,ICUの室内は患者の治療に,また蘇生のために不可欠な監視装置,人工呼吸器,除細動器など最新機器が備えつけられ,ものものしい印象を受ける.しかし,一方このような最新医療の中でも我々スタッフは,患者の死に直面することもある.
ICUは一般病室とは違った,いわば隔離された病室であるため,看護上いくつかの問題点がある.それらは例えば,ICU看護婦には,特に医学的知識や診療技術を身につけることが要求されるといわれるが,それは何のためなのか,意識がありながら全く身動きできないような環境に置かれた個々の患者に対し,看護婦としてどのような援助をしていかなければならないのか,やむなく死に至る患者の看護はいかにあるべきかなどの問題である.
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