特集 クリティカル・ケア
POST-OPERATIVE CARE UNITにおける看護
土田 慶子
1
,
中井 英子
1
1東京女子医科大学日本心臓血圧研究所ICU
pp.1375-1379
発行日 1981年12月1日
Published Date 1981/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919416
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はじめに
クリティカル・ケアとは,‘クリティカルな状態すなわち危篤状態,危機にある患者のケア’といえよう.それゆえ,そこで働く医療者は,危篤な患者の治療・看護に必要な観察・判断,そして看護技術に熟達していることが求められる.同じような言葉にインテンシブ・ケア(集中治療)があるが,この言葉は医療行為や疾患をもとにした考え方であり,一方,クリティカル・ケアは患者の状態や病状をもとにした考え方であるという.わが国ではクリティカル・ケアという言葉や考え方はまだ十分に定着してはいないようであるが,現実には,ICUやCCU,救命・救急センターなどにおける集中治療・管理はすでに10数年前から行われており,その現状を見ると,例えば1977年に行われた集中強化治療病棟に関する実態調査では,全科を入れているICUが53.8%と増加してきている.1)また,1973年日本麻酔学会より示されたICUの定義と比較してもクリティカル・ケアとインテンシブ・ケアは,ほぼ同じような意味・内容が含まれていると解釈したい.そこで,ここではICUで,クリティカルな状態の患者に対する医療・看護を述べてゆきたい.
東京女子医科大学日本心臓血圧研究所ICUは,1965年設立当初から術後ケア病棟という性格を有している.
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