バイタルサイン・9
呼吸[3]—吸息と呼息
岡安 大仁
1
,
福田 幸子
2
1日本大学医学部呼吸器科
2日本大学医学部付属板橋病院内科病棟
pp.1236-1237
発行日 1980年12月1日
Published Date 1980/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919104
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吸息と呼息 吸息と吸気とを同様な意味で使う人もいるが吸息を現象,吸気を吸息ガスとして区別する入もいる.ここでは後者の立場をとることにする.
健康者の安静呼吸では,吸息(約1秒)と呼息(約15秒)の間に約1秒くらいの休息期がある.これが呼吸数16回でほぼ1分となる(図1 ①).量的には,もちろん1回ごとの吸気と呼気は等しい.この等しい気量を通過させるのに,吸息より呼息が長いのは,吸息では呼吸筋(外肋間筋・横隔膜など)が能動的に収縮し,呼息ではむしろそれらの筋の受動的弛緩によっているからである.しかし,これが努力呼吸となると,補助呼吸筋をも動員して,吸息にも呼息にも能動的な筋収縮が伴う.そして吸息と呼息の時間的関係も変わつてくる.
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