学生の眼
看護の姿勢について考えさせられた一事例—全盲の骨折患者を通して
袴田 弥栄子
1
1静岡県厚生連看護専門学校
pp.1178-1183
発行日 1980年11月1日
Published Date 1980/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919091
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はじめに
相手の心を知り,お互いに理解し合い納得するには,それだけの時間と,相手を知ろうとする心をもった接触が必要だと思います.私たちは各病棟において,各自が最低1名の受け持ち患者を定め,受け持ち患者を中心に実習を行ってきました.そしてそれぞれの患者との接触を通して,肉体的にも精神的にも病を持つ人に対して,看護者としてどう援助していくか考え,学んできました.しかし私は今回,全盲の骨折患者を受け持ち,ある出来事をきっかけとして,今まで自分が看護者として‘患者のために’と考えて行ってきたことはいったい何であったのか,患者をほんとうに理解したうえで行ってきたことだったのかなど,自分の立場を改めて振り返り見つめ直す機会をえました.そこで,相手を理解するためにまず自分自身が何を行うべきか,看護者の立場や姿勢について私なりに考えてみたことをまとめたいと思います.
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