精神病院わが病院づくり
精神科救急医療に従事して3年—千葉県精神科医療センターの対応と診療実績
計見 一雄
1
Kazuo KEMMI
1
1千葉県精神科医療センター
pp.676-682
発行日 1988年8月1日
Published Date 1988/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209347
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精神病院を"病院らしく"するために
1965年にインターンを終了して医者になって以来23年間,ずっと頭から離れない疑問がある.「精神病院は本当に病院なのか?」という声が心中で執拗に聴こえるのである.
大きな総合病院の精神科で仕事を始めていれば,こういうバカな思いに悩むこともなかったろう.私立精神病院歴が永かったせいかもしれない.だけど,この疑惑が当たっているとしたら,さっさと転科するか,医者を廃業するかしているはずだ.そうしなかったのは,精神病院を病院らしく,精神科医の仕事を医者の仕事らしく包装し直したかったからである.アンシュタルトのメディカリゼーションをここまでの半生の仕事にしてきたような気がする1).これが正しかったのかどうか,まだよく分からない.デメディカリゼーションをこそ推進するべきだったような気もする.
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