グラフ
この人たちがすっと帰れる社会があれば……—てんかん治療専門施設 静岡東病院てんかんセンターの看護
川目 俊昭
,
本誌編集室
pp.570-575
発行日 1979年6月1日
Published Date 1979/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918689
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
運動療法室いっぱいに若者たちの歓声がワーッとあがる.雨のため中止となった屋外レクレーションを室内に変えたため,40名ほどの若者たちのなわとびや卓球に興ずる声で話し声も聞きとれないくらいである.これがてんかんに悩んでいる患者の姿なのか,と一瞬目を疑ってしまった.それほど,ここ静岡東病院てんかんセンター(院長・和田豊治)に入院している患者たちは,卓球に,なわとびに楽しそうにうち興じていたからだった.
事実てんかん発作がない時の彼らは健康人と全く変わらない.病室で寝ている者はほとんどいないし,もちろんパジャマ姿の者など1人もいない.保護帽をかぶっている少数の者の姿がなければ,何かの研修に米た若者たちの集団と何ら変わりがない.
Copyright © 1979, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.