輸血—都立駒込病院の場合・3
輸血の特殊性と副作用(3)
清水 勝
1
1都立駒込病院輸血科
pp.305-308
発行日 1979年3月1日
Published Date 1979/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918633
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(3)循環不全
特に慢性貧血が高度(Hb量4-5g/de以下)の場合,あるいはそれが中等度でも心筋障害のある場合,また老人への輸血時には,循環血液量の増加による急性心不全の発症に注意していることが必要である.輸血実施上の注意点を表12に示した.
血液製剤としては,赤血球濃厚液(全血から血漿部分を除いた製剤,Ht 70%)を用いて輸血量を軽減する.重症のうっ血性心不全患者への輸血には,過濃縮・洗浄赤血球(Ht 90-98%)を用いる.まれではあるが,過度の貧血(Hb 1-2g/de)で酸素欠乏によると思われる意識障害を認めるような場合には,酸素運搬能の十分保持されている,採血後4日以内の新鮮血(本文ではこれを‘新鮮保存血’と称する)の赤血球濃厚液を輸血する.
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