プロフィル
—谷口玲子—活動をやめたら加害者の立場に……森永ヒ素ミルク中毒問題に今も積極的に取り組む保健婦
吉
pp.1329
発行日 1978年12月1日
Published Date 1978/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918573
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‘森永ヒ素ミルク中毒事件’を覚えている人はどれくらいいるだろうか.1万人以上の乳児が中毒で苦しみ,133名が死んだこの事件は,事件後23年にもなろうとしている今でも,多くの被害者を後遺症で苦しませている.
この問題にどういう動機で,いつごろからかかわり出したのですか?‘大阪の保健婦が放置されていた患者を“14年目に訪問”したのを公衆衛生学会で阪大の丸山教授が45年に発表したのを聞いてからです’報告を聞いたときは?‘そりゃビックりしました.私はサラリーマン保健婦だったんですが,患者が良くなったからそれでいいというわけではないということを突きつけられたんです.14年間ほっとかれた患者にとって私たちも加害者の立場をとっていたんじゃないかということですね.言われた仕事だけをやっていた自分にはショックでした.毎日の仕事は一所懸命やっていたつもりでしたが,それじゃダメだと思って’
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