特集 援助の可能性と限界・2
有効な援助とは何か
中尾 アヤコ
1
1千葉労災病院
pp.1154-1161
発行日 1978年11月1日
Published Date 1978/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918534
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はじめに
私が,患者に対する看護婦の援助について改めて考えさせられることになった動機は,私自身の最近の入院体験からである.それまでにも幾度か入院の経験があり,その度に,看護婦の目でみる患者と実際に体験する患者とではそこにかなりの違いがあることを感じてはいた.しかし,そのとき何かをしっかり胸に刻みこまれるということはあまりなかったように思う.けれども,この数度の体験が多少影響していたのかどうか,私は,思いやりのある優しい看護婦だと,人に言われ自分でもそう思っていた.
そして,今までいくらか本も読み,多くの事例にも接してきて,私は患者の気持ちが理解できなくはないと思い,また人間関係の始まりである‘言葉’を大切にして,患者に接するよう心がけていたので,患者の気持ちとそう遠くないところで言動してきたつもりであった.
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