特集 実践のなかでの体験と学び
‘ホンネ’の人間との出会いを求めて—病者として,また看護婦としての体験から
坂梨 秀子
1
1国立熊本病院看護部外科病棟
pp.710-716
発行日 1978年7月1日
Published Date 1978/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918437
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はじめに
病院においての看護生活が,23年になろうとしている.
清らかに流れ始めるせせらぎも,川となって下るにつれて,汚れ,濁り,淀みをつくっては滓(おり)を溜めて,また流れつづける.人間もまた,生きてきた証としての自分自身の滓を,持ち歩いているのではあるまいか.意識する,しないにかかわらず,滓は溜まるものである.惰性でできた滓も,努力して生み出した滓も,現在の私の存在と切り離すことができないものである.
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