人間関係・13
組織開発の1実例(1)
大段 智亮
1
1看護人間学教室
pp.288-291
発行日 1977年3月1日
Published Date 1977/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918104
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工長と部下とのある対話場面
まずひとつの状景を想像していただきたい.1人の工長が4人の部下と話し合っている.もう1人いるのは,この話し合いの手伝い役として,労務課教育班から参加している人である.工長は斉藤さんといい,この会社のなかに百数十名いる第一線の監督者,つまり主任・工長のなかで,私がもっとも敬意を払っている人物の1人である.当時年のころ30前後,働き盛り・勉強盛りといっていい.彼はコークス炉のなかの切り替え班という職場の工長で,部下は20名近くもいる.労務課からの助っ人は幸前さんといい,そのころ25, 6歳,これまた熱心な勉強家だ.斉藤工長が行った職場の話し合いにおいては,非常に重要な役割をしてきた,その幸前さんの書いたレポートによって,この状景をうつしてみる.
入社して2年と3か月になる北山君は,さっきから黙って何も言わない.2年3か月では,この切り替え職場ではまだ新しいともいえるから,遠慮しているのだろうか.
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