あなたのなかの現代
忘れてはならない過去の誤ち—早大生の焼身自殺に思う
鈴木 均
pp.118-119
発行日 1970年12月1日
Published Date 1970/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917711
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10月6日未明,早大生が焼身自殺した。いく通か書き残された遺書のほかに,「とりわけ早大二文当局およびすべての二文学友に訴える」と書いた「抗議・嘆願書」があった。
「人騒わがせなことをして申しわけありません。しかし,これは被植民地支配下の異民族の末えいとして,この国の社会の最底辺で25年間うごめき続けてきた者の,現代日本に対するささやかな抗議でもあります」という書き出しで,彼は,在日朝鮮人に加えられた差別について抗議し,さらに学生のテロについて「革マルの数度にわたるテロ・リンチなどにより,いく度か傷つき,登校の自由は奪われ,生活の破算,ざ折を余儀なくされた」「私と同様に革マルの学園暴力支配により,退学に追いこまれつつある学生は少なからぬ数にのぼる」と訴えていた。
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