いわせてもらえば
公害と病院
井上 なつゑ
1
1日本看護協会
pp.55
発行日 1970年12月1日
Published Date 1970/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917694
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田子の浦のヘドロをはじめとして,この頃毎日のように,空気のことから,建物,ひいては加工食品について,公害ということを耳にする。まるでわれわれが日常生活するのに,公害ときってもきり離せないような気がして,じっと安心していられない。
私どもの最も大切な米についても,公害とまったく結びついている。農家では害虫駆除に使う農薬のおかげで,米はありあまる農作物となった。政府では稲作を少なくするために,休ませる田をつくることを,農家に補助金を出して納得させている。農家は米を作らなくても,収入は減少しないが,このありあまった米を食べているわれわれは,どういうことになるか,今一度再考したい。
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