見のがされやすい実務の知識
病院と公害
上林 三郎
1
1聖路加国際病院営繕課
pp.72
発行日 1969年3月1日
Published Date 1969/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541203597
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最近,都市における公害,特に亜硫酸ガスによる大気汚染の対策がやかましくなりつつある.また,飛行場周辺の学校・民家に対する騒音も公害の1つとして取り上げられて,これからの都市環境の整備について,やっと政府・地方自治体が腰を上げたかたちで,議会でも一部の法案がまとまったところである.ただ,この公害対策は一般の民家・学校などを対象として進められているが,特に病院・保健所のような一般市民の健康を守るべき施設に対する方策がまったくないのには,いささかあきれるとともに,水道料金さえ公衆浴場のほうが優先される世間の病院に対する見識を,ただただ残念に思うのみである.
病院の施設を保守管理する人びとにとって,都市公害は今後多くの問題を提供するであろう.すでに都心の病院で,われわれが毎日ぶつかる問題としてまず大気汚染の問題がある.病院の空調設備を考える時にどうしても必要な条件の1つに新鮮空気の取り入れがある.
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