特集 公害時代と医療
公害時代と医療の役割
野村 拓
1
1大阪大学医学部衛生学
pp.10-15
発行日 1970年12月1日
Published Date 1970/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917686
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全国的に汚染された“生活の場”
いわゆる“公害時代”は,これまでの日本の医学医療体制の弱点を浮きぼりにしつつある。日本の近代史のなかで,これまでに“公害時代”に匹敵するものを探せば,明治初期以来の“急性伝染病時代”や大正あたりからの“結核時代”をあげることができよう。
急性伝染病対策は,上下水道の整備など生活環境の改善をおざなりにしたまま,ワクチンと抗生物質にたよるゆき方をとり,いまだに赤痢では例年世界第1位の患者数を出している。
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