特集 なぜ看護婦であり続けるのか
体当たりで看護婦に抵抗する患者に出会って
西岡 藤野
1
1国立療養所長島愛生園不自由者棟
pp.986-989
発行日 1975年10月1日
Published Date 1975/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917345
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看護の仕事が認められようと,認められまいと
特に難病といわれる疾患にらいがある.早期発見早期治療した場合は社会復帰している者も相当いる.しかし国立療養所には今もなお長い闘病生活をじっと耐えている人々が全国療養所11か所に9500人余り居る.それは苛酷な病いとの戦いである.
不幸な1個の石を投げた波紋が広がり,その周囲の者特に身内に及ぼす影響は遺伝であると決められやすかった時代に業病とか天刑病,不治の病いと言われ,現在もなおらいに対する社会的偏見は皆無とはいえない.現実には深刻な問題が多く,いかに努力してみても病気という運命から逃れることができぬ嘆きや苦しみはしょせん患者さん自身にしか分からないわけだ.
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