ベッドサイドの看護
腹部不快時の体位のくふう
石平 正子
1
1国立東京第二病院内科病棟
pp.176-178
発行日 1972年2月1日
Published Date 1972/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661916883
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呼吸困難のある患者には楽に呼吸ができるように,また胸痛や腹痛を訴える患者には疼痛を緩和するために,自力では動けない患者の褥創を予防するためになど,看護婦は体位を選び患者を安楽に保持するようくふうし援助しなければならない.これは看護の最も基本的なことであり,私たちが日常行なっていることである.
ここに紹介する症例は,疾病に対する極度の不安と,膀胱炎による強度の腹部不快と,頻回の尿意のためベッドに就床することができず立ったまま震え,足踏みをし,非常にいらいらした状態で睡眠も得られず,家族も不安に陥いるといった状況であった.膀胱炎に対する治療はもちろん,就寝時には精神的緊張を緩和するための注射薬の指示が出されており,効果が得られないときはさらに指示を受けていたが,患者の状況は相変わらずであった.
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