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日本の社会保障費・5—生活保護と医療扶助
前田 信雄
1
1国立公衆衛生院社会保障室
pp.1015
発行日 1973年8月1日
Published Date 1973/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661916729
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憲法第25条には‘国民はすべて健康にして文化的な最低生活をいとなむ権利を有する’と書かれている.生活保護は国民の最低生活を保障する最も重要なものである.私たちが不幸にして貧困におちいったとき,最後によりどころとなる制度である.全体としてみれば,生活保護をうけている扶助人員は,1951年の204万人から1971年の132万人へと減少してきている.失業者も減つたし,国民の平均的な所得の向上の影響もあろう.
しかし,医療扶助をうけている人数は別だ.28万人から約2倍強の72万人にと増える一方である.生活保護受給者の約6割近くが医療扶助で占められることになった.長期の病気で働けなくなった人,病気の老人,後遺症のため職につけない人,長く入院している人々…….扶助金額でみると,医療扶助の占める割合が更にいっそう多くなる(6割強).
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