グラフ
‘陽気ぐらし’をめざす人間的な看護—天理よろづ相談所‘憩の家’
雪永 政枝
1
1天理よろづ相談所看護部
pp.278-285
発行日 1973年3月1日
Published Date 1973/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661916584
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天理よろづ相談所(天理市三島町200 所長 諸井慶五郎 院長(身上部長)山本俊平)は天理教団により昭和41年4月 天理教の教理に基づいて ただ単に病人の診療にあたるだけでなく 健康な人々の医療・信仰・生活上のあらゆる相談に応じ その世話をすることを目的として開設されに.病院(病気のある家)ということばの暗い響きを避け‘病いの治療を受け 身も心も休め憩う場所という明かるい響きを強調して“憩の家”と名づけられており この名で信者たちだけでなく近県の々からも親しまれている.
憩の家は身上部(肉体的 精神的な各種疾患の診療と研究にあたる部門)と事情部(一身上や家庭の事情 苦情など悩み事の相談を引受け 信仰的な指導・解決を図る部門) それに世話部(医療経済入院・退院後の問題から職業の選択 結婚相談まで生活上の相談に応じる部門)との3部門から成り立っており この3部門の密接な連繋のもとに医学 信仰 生活を結びつけ 悩み病める人々を根本的に救うことで“陽気ぐらし”(天理教の教えによる人間の理想的なくらし)の実現をめざしているのである.いいかえれば 身上部はいわゆる病院 事情部は信仰的な精神面からの救済をはかる部門世話部は医療社会事業部あるいはケースワーカーの担当する部門としての役割を分担しているといえよう.
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