特集 基準看護
基準看護の問題点
石原 信吾
1
1虎の門病院事務局
pp.30-34
発行日 1969年4月1日
Published Date 1969/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661914429
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基準看護の本来の問題分野
「基準看護」は周知のように,はじめは「完全看護」という名前て呼ばれていた。それがなぜその後「基準看護」という名前にかえられたか。そのへんに問題を考えるうえでの一つの鍵がありそうな気がする。しかし,その点に関してはいずれあとでまた触れることにして,それよりも,もっと大事なことが一つあるので,はじめにあたってそれをまず明らかにしておきたい。それは,「基準看護」とは健康保険の診療報酬支払制度上の問題だということである。つまり,「基準看護1という名前は,健保診療費の支払制度上,ある看護規格に対してつけられたものであって,それ以外の何ものでもない。その点はよくよくはっきりと念頭に置いておく必要がある。そうしないと,問題を考えてゆく場合,話が混乱することになる。そして,そうした混乱は,現にいたるところに見られる。患者さんの側にはもちろんとして,病院職員の間にも,看護婦さんの間にも,そしてまた健保当局者の間にさえそれは認められるのである。そこに,この問題の一つの大きな問題点のあることは否定できない。
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