座談会
病院外来の現状と問題点
島内 武文
1
,
石原 信吾
2
,
今牧 嘉雄
3
,
岩佐 潔
4
,
大久保 正一
5
,
佐藤 修
6
,
佐分利 輝彦
7
1東北大学
2虎の門病院事務部
3東京社会保険協会蒲田病院
4病院管理研究所医療管理部
5日本大学
6国立東京第一病院外科
7厚生省医務局総務課
pp.18-29
発行日 1963年7月1日
Published Date 1963/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202152
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
島内(司会)実は私,この問題を知らないんですが,そのほうがかえって白紙の形で進められていいんじゃないかと考えまして,お引き受けしたわけです。日本の病院の外来は日本独特のもので,外来に参りますと,大へんな数の患者が受診していますが,患者も,外来とはこんなものだというふうに,すっかりなれてしまっている面もみられると思うのです。従って,開業医の方が外来患者をとっておられるのをみても,病院外来と似たようなことをやつておられる。フランスあたりの開業医はもっともっと患者の気持を察し丁寧な外来をやっているように思うのです。そんな意味では,日本の病院にはほんとうのPrivate Practiceがないんじゃないか。
実際,外来というところは医師の一番大切な仕事場であるわけですから,当然もっと早くこれが検討されてなければならなかったというふうにも思うのです。ことに最近にいたって,医療制度調査会その他の報告も出て,将来の医療制度というようなもののプランも,ある程度つくられてきておりますし,一つの転換期に当たって医療制度の全体面から病院外来というもののあり方を議論することが,ぜひ必要であると思うのです。
Copyright © 1963, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.