特集 病院経営と薬剤
薬価基準制度の問題点
武田 公一
1
1日薬連・保険薬価研究会
pp.29-33
発行日 1969年8月1日
Published Date 1969/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541203705
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薬価基準制度について
薬価基準とは,一言でいえば社会保険などで使用できる医薬品の品目リストであると同時に,その医薬品を病院・診療所・保険薬局で施用した場合の価格表であるということができる.
医薬品の品目リストであるという意味は,薬価基準に収載されていない医薬品は社会保険では使用できない(厳密にいえば請求できない)という意味であり,価格表という意味は,個々の医療機関が現実に購入した価格とは無関係に基金に請求できる価格であるという意味である.したがって,医薬品製造業者にとって薬価基準に収載されないということは,その医薬品が健保にはまったく使用されないということになる.現在,薬価基準の新医薬品への収載は必ずしもスムーズではない.その時の政治情勢に応じて,著しく長期間放置されている.かくては,せっかく大きな研究費を支払って長年にわたって研究開発したクスリの市場性が長期間無視されることになり,製薬業者にとっても経営上大きな問題になっているのである.
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