特集 病気とはなにか
随筆
病気と私
3年くぎりで生きる
林家 正蔵
pp.27
発行日 1968年12月1日
Published Date 1968/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661914226
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病気といったって,そう大して経験のある方じゃないんだが,もう10年ぐらい前になりますか,どうもからだの具合が悪いっていうんで,知り合があるもんだから,築地の聖ルカ病院へ1週間ばかり入院したことがあります。疲れてるからしばらく休んできなさいって先生がいうんですよ。そういえぼ,あのころはテレビの出はじめで,アッチコッチひっばり回されてすっかり自分のペースというものを乱されちゃったんでしょうね。神経がまいっちゃったんですね。もっともこっちは貧乏だから長くはいられないって思ってたら,とたんに治っちゃったけども。
最近は,もう長いことはないと思うもんだから私は,3年くぎりで生きることにしてるんです。どういうことかっていうと,この3年間にこれだけのことをやっとこうって計画をたてましてね。そうすると月日なんてものは早いもんですぐたっちゃうんですね。そうやって自分のペースを守ることにしてる。
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