今月の考察 園田厚生行政
厚生大臣の“勇断”を考える
平沢 正夫
pp.52-55
発行日 1968年10月1日
Published Date 1968/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661914155
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“民の生を厚くする”かどうか
園田厚生大臣が,昨年11月の就任以来,かずかずのファインプレーをやっているといわれる。しかし,私の考えでは,カッコつきのファインプレーだとおもわれる。園田厚生大臣のファインプレーは,実際の効果としては,国民のなかのほんのひとにぎり,せいぜい,数百人から数千人の人びとにとってプラスになることにかぎられている。大多数の国民にとって,直接のプラスになりそうなことについては,「将来こうしたい」という意味の希望的観測をのべているだけである。そして,厚生行政の中心問題となると,いちど言ったことをひっこめたり,せっかくのプランを事実上の抜けがら同然に手なおしして実施したりしている。
総合点をつけるなら,なにもしないよりもほんのいくぶんマシという程度にすぎない。
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