連載 新・ナイチンゲール伝・18
誤解されてきたその思想と人間
吉岡 修一郎
1
1久留米大
pp.56-57
発行日 1965年9月1日
Published Date 1965/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661913719
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38.産院施設の改善
1861年に(クリミヤ戦争終戦の年)すでにナイチンゲールは,貧民に奉仕する助産婦の養成に,ナイチンゲール基金の一部を当てていました。26歳から35歳までの,性格のいい女子を各救貧区(貧民救助法のための行政区)から選び出して,「王立学院病院」で6ヵ月間の実地訓練を与えて助産婦に仕上げる,という計画を立てたのです。
その年の10月からそれが実施され始めました。専門の産科医が助産婦たちを教育し,男の学生は病室へ,はいれないことになっていました。それで6年間うまく行っていたのですが,それから産褥熱の流行のために,突然この仕事を中止しなくてはならなくなりました。
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