2色頁 看護・物理
放射線と看護
倉田 正一
1
1慶大
pp.74-76
発行日 1965年4月1日
Published Date 1965/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661913564
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放射線は現在の診断治療にはなくてはならないものである。人類がはじめて人工によって放射線を発見したのは1895年,ドイツのレントゲン博士によって,陰極線管球から放出される物質透過力のあるエックス線(レントゲン線)の存在が認められた時である。つづいて今度はフランスでベックレルがウラン塩が黒紙を透して写真乾板を黒くしていることから放射線を出していることを発見し,当時ベックレル線とよばれた。これから「放射能」研究がはじまったのである。それから2年目の1898年には,マリー・キューリー夫人が夫のピエールと共に,ピッチブレンドという鉱石から放射能のある新しい元素の「ラヂウム」や「ポロニウム」を発見し,続々と新しい放射能をもつ元素が発見され出したのである。
その後エックス線やラヂウムは医療面で有効であることが認められ,エックス線は特に診断面で,ラヂウムは悪性腫瘍などの治療面で急速にその医学的利用が拡がっていった。
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