看護□手術室
中央手術部における患者管理室の運営(2)
上野 温子
1
1東京医科歯科大学病院中央手術部
pp.82-85
発行日 1967年2月1日
Published Date 1967/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661913046
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患者更衣の実際
三角巾で頭部を覆い毛髪をかくします。三角巾は眼球を圧迫しないように縛り,ずりおちないように工夫します。(写真①②)下着は患者の健側から脱衣させ,手術部専用下着は患側から着せます。
患者をストレッチャーに移すときは静かに移すことを原則とします。(写真③)成人の場合は,ときには2人以上を必要とすることが多く,どのような場合にも患者の安静を優先すべきです。消化管出血,性器出血,帝王切開を受ける破水例などの救急手術,失禁,尿瘻や糞瘻造設患者のような特殊例では,ゴムシーツやビニール製カバーを当てたまま入室させます。(写真④)骨折例では,外傷性骨折であるか病的骨折であるか病名に注意して,二次的骨折,転位あるいは疼痛の増強を起こさせないように注意し,患部の安静を守り,ストレッチャーに移します。(写真⑤)創傷感染患者は,手術室の汚染を防ぐためにも,手術部であらかじめ取り扱い方法を決めておきます。感染創に由来する膿汁,血液,滲出液などで汚染されないよう四角巾,ビニール製カバーで創部を完全に覆います。手術室では,慢性伝染性疾患(外科的結核,性病)血清肝炎,インフルエンザの合併患者なども多く取り扱うのでこれらの対策も講じておく必要があります。
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