世界の女性
エレン・ケイ—母性復興を唱えた婦人運動家
福地 重孝
1
1日本大学
pp.112-113
発行日 1966年5月1日
Published Date 1966/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912750
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スウェーデンの生んだ婦人運動家エレン・ケイ(Ellen Key)は,多くの著書をのこした。「児童の世紀」(1900),「恋愛の自由」(1903)「恋愛と結婚」等々,婦人運動や婦人と恋愛その倫理に関するものが多い。そして彼女の書は,ひろく海外にわたって各国語に飜訳されて彼女の思想はいろいろな意味で世界の女性に大きな影響を与えている。
わが国でも,山田わか,原田実,本間久雄氏らによって,全訳,抄訳が紹介されているが,1913年(大正2)雑誌「青踏」に平塚明子(雷鳥)が,エレン・ケイの「恋愛と結婚」を紹介した。大正デモクラシー以後の女権問題,母権問題が論ぜられる場合には,必ずといってよいくらいにエレン・ケイの思想がひきあいにでるほどである。「恋愛と結婚」は,ケイが1903年に初版出版した「生命線」という書物のその前半を英訳したものである。
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