声 准看護婦の私
団結を!
岩田 洋子
1
1某診療所
pp.54
発行日 1966年4月1日
Published Date 1966/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912697
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私は,准看護婦。そして定時制高校3学年在学中の者です。私が,看護婦不足の問題を深刻に考え,この診療所に入職したのは,6ヵ月前のことでした。公立機関の病院でさえも,この問題が,重要視され,今だに解決のメドもつかない現状に対し「原因は,もっと小規模な所から,生まれているのではないだろうか」と,考えたからなのです。
私立系の,しかも入院病床数わずか25床というこの診療所に来て,始めて私は,この問題の重要性を再認識させられました。そして,若い私たちが,もっともっと深刻に考え改善せねばならない問題であることをもです。人間の生命を預るという重要な医療機関。そして,そこに不可欠の独立した看護婦の存在が全くと言って良いほどに,認識されておりません。それどころか,それが当然のことのように,見逃されているのです。この診療所には,婦長1名,准看護婦3名と,副看護学校に通学の者4名がおります。人手不足からくる1日あるいは,2日置きに来る当直は,看護婦1名の待機でもって,入院患者の疼痛の緩和から,外来急救患者の診療の介助,そして事務的カルテ作成や,会計,投薬の調剤まで実に事務内容の不徹底さ!!それに25時間半という重労働,一夜の当直料400円という低賃金,何とも病院の隷属物としか考えられないような,そんな現状なのです。問題点を述べれば,きりがありません。女性の社会的地位の低さを,見せ示すかの場としか考えられないほどなのです。
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