特集 看護婦の勤務と生活の合理化
第4部 生活を豊かにするために
駅弁
秋田 貞男
1
1日本修学旅行協会事務局
pp.188-189
発行日 1961年6月15日
Published Date 1961/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912582
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旅に出ての楽しみのひとつに食べ物がある。落ち着いた旅館で,その土地の珍しいものを食べさせてもらうと,旅行の価値は一段と増すが,窓外を眺めながら駅弁を噛みしめていると旅の味が出てくる。
ところが近頃は列車のスピードアップの波に押されて,駅での停車時間が短縮されたのと,デラックス列車は窓が開かなくなつたので,駅弁を買うのに苦労するようになった。このことは駅弁業者にとっては大きな打撃となつたが,これがまた刺激となつて商売に積極性を発揮するようになつた。そのために駅弁の体裁,内容ともにいちじるしく改善されてきた。とかく,駅弁というと単に空腹を満たすための弁当であり,“安すかろう,悪るかろう”との判断をくだす人が多いようであるが,近ごろの駅弁には一流料理屋の弁当に比べて損色のないものもあり,駅弁ならでは味わえないその土地独特なものもある。
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