精神身体医学講座・7
電気生理検査法
銅直 春雄
1
1九州大学医学部生理学教室
pp.56-60
発行日 1964年11月1日
Published Date 1964/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912440
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精神身体医学の概念もその基盤となるものは,精神と身体の相互関連の仕組みであります。そしてこの仕組みが,最近,大脳辺縁系と視床下部との交接という見方で研究されつつあり,私どもが最も関心をもっている問題でもあります(心と体の章参照)。「病は気から」といいますが,実はこの気はストレスによって起こった大脳辺縁系の乱れであり歪みであり,これまでは視床下部が自律神経の中枢と考えられていましたが,近年になってその上位にある大脳辺縁系が実は視床下部に統御し調整的に働きかけていることがわかってきました。これまでにみられる反応としては,瞳孔,血圧,心拍,呼吸運動,消化管の緊張と運動,立毛筋,汗腺,涙腺,そのほかの消化腺の分泌,排尿排便などに対する影響のほかに血液の組成にも変化が起こることが認められております。そこで心身医学を生理学的な面から研究していくことはその本質に迫るものであり,以下簡単に心身医学の臨床に必要な電気生理検査法について述べてみます。
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