看護と経済・2
経済と臨床
ドロシー・サザランド
,
今井 敬子
pp.26-30
発行日 1964年7月1日
Published Date 1964/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912294
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患者は入院費に1年に5兆ドル以上も支払っている。これは,支払っている側からみれば莫大な金額である。しかし,看護婦はしばしばこれらがどのように使われているかを考えてみなければならない。何故ならば,看護婦はたびたび職員欠乏,不充分な設備,物質についての問題を報告しているからである。悪いことに,毎日30ドルほども支払っている患者からみれば,世話(Care)というのは自分が毎日みる看護婦というものと直接むすびついている。患者にとっては,看護婦が病院であり,患者のサービスをあたえる背後の復雑な組織の関係などではない。それで,患者の不満は,冷たいコーヒーから花の世話にいたるまで,すべての責任は看護婦にもどってくる。
病院看護婦が他の職業と違う困難な点は,技術の提供による報酬は直接被提供者によって支払われるが,病院看護婦の場合は病院がすべて,臨床の方法,使用する材料,給料に至るまで決定する。つまり看護婦は病院にしばられているわけである。
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