特集 パートタイム・ナース
《座談会》パートタイム・ナースと看護
上坂 冬子
,
吉田 浪子
1
,
武居 真砂
2
,
加藤 幸子
3
,
橘 かほる
4
1国立東京第二病院
2国立東京第二病院内科外来
3日本赤十字社中央病院癌センター婦人科
4虎の門病院内科外来
pp.22-31
発行日 1964年6月1日
Published Date 1964/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912265
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職場から家庭へそして家庭から職場へ
司会(上坂) この間私小さなアルバイト的な仕事の広告を出しました。どなたでも手のあいている方で,ほんとにわずかなお礼だけれども,やっていただきたい仕事—テープレコーダーの中へ私が原稿をふきこみまして,それを文章に書き直してくださいませんか,というふうな広告を出したわけなんです。それで1人でも2人でも来てくださればいいと思っていたところ,400通も手紙がまいりまして,私もびっくりしてしまったんですが,その中で3分の1くらいの方が家庭の主婦なんです。その家庭の主婦の方が綿々とはがきで足りなくて封書でよこしていらっしゃるんです。子供が2人ある。それで上の子が学校へ行って,下の子は今年から幼稚園に行っています。私はまだ若いし,このまま若い人生を家庭の中で朽ちていくような生活をするのだと思うと,とてもやり切れない。そのかわり表へ出て働きに行こうと思っても,雑役婦,まかない婦ぐらいしかない。若いときに何か身につけておけばよかったということをつくづく思うんだけれども,とにかく何も特技がなくて意欲と体力だけある人間を何とか生かす道はないものだろうか,と綿々と訴えていらっしゃるんです。
私は読んでいまして,ほんとに女というのはいったん家庭にはいってもういちどやってみたい,何かこのまま終わっちやうのはつまらないというような気持を持っている人の多い時期じゃないかと思いました。
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