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ある院長のナース観
東 陽一
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1九州厚生年金病院
pp.68-69
発行日 1963年7月1日
Published Date 1963/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911978
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最近テレビの番組に,「ベン・ケーシー」や「キルディア」のような医師に関するもの,ことに「看護婦物語」というなナースを主題としたちものが大いにうけているのは,どういうわけであろうか。いずれも,それは,アメリカ物であって,アチラでも相当高い視聴率をあげていたようであるが,それは日本において,近時医療費値上げ問題で,開業医諸君がいっせい休診をやったり,看護婦が病院ストの中心勢力となって赤旗を振るようなことで,世人の関心が医師やナースの方に向けられてきたからであるとは考えられない。欧米でも,病院職員のストはないではないが,医師,看護婦は,いわゆる労働者ではないのでストには加わらないから,アメリカあたりで,看護婦物語のようなテヒビや映画が好評を博したというのはやはりナースという聖職の実体に感銘をうける程度が高かったからであって,日本でも,もし,この番組が,うけるものであるとするならば,やはり何かヒューマニティ(博愛)に共感を覚える気持によるものであると私は考える。
最近,病院では,ナースの不足が強く叫ばれている。看護学院その他養成所に入学を希望するものが著減していることに,将来ますますナースの不足を深刻にするものとして,厚生省でも,その対策に乗り出していると聞く。
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