看護講座
腎臓疾患の際に行なわれる検査と看護〔2〕
三上 知子
1
,
近藤 淳子
1
1聖ルカ短期大学
pp.51-53
発行日 1963年7月1日
Published Date 1963/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911973
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2.血液による検査
検査項目
残余窒素(NPN),尿素窒素(Urea N),クレアチニン,電解質など、腎臓の働きのひとつは,体内の老腐物を体外に排泄することである。腎機能に障害が起これば,老腐物は排泄されずに血中に残ることになる。残余窒素,尿素窒素は毎日の蛋白質の摂取量,運動によって左右される。クレアチニンは,蛋白摂取,運動には左右されることがないので,胃の障害程度に従って上昇する。体内の老腐物としては,上述のもののほかに,燐酸,硫酸,クロール,フェノール,尿酸,ケト酸などの有機酸がある。腎機能の障害によりこれらも血中に貯留することになる。すると血液のpHは増加し,それを中和するために,予備アルカリが減少してくる(この予備アルカリの量を知るのが炭酸ガス抱合能である)。したがって,血中の電解質の平衡もくづれてくる。電解質で多くなるものにナトリウム(Na)カリウム(k)がある。以上のような血中の変化をもたらす場合として,
1.腎臓に器質的変化をともなわない場合,種々の原因により循環血液量が減少し,尿の製成が不能の場合
2.急性の腎障害を起こした場合
3.慢性の腎障害を起こした場合
4.尿路の閉塞のある場合
などである。
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