疾病別患者指導講座・4
先天性股関節脱臼の患者指導
徳永 悦子
1
1厚生年金病院整形外科
pp.55-59
発行日 1962年1月15日
Published Date 1962/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911549
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先天性股関節脱臼は,小児における肢体不自由をきたす疾病中でも特に頻度の高いもので,斜頸,内反足と共に三大奇形として,整形外科疾患中の代表的なものとされています。これが生後間もなく発見されて,正しく治療が行なわれると障害を残さず治癒するものですが,年長になるに従い観血的な加療が必要になり長期間を要するばかりでなく脱臼の整復が不可能になり治癒が困難となつてしまいます。最近では一般に認識されてきたため母親の発見が早く,進んで受診されるようになつたことは非常に喜こばしいことと考えられますが,なかには学童期になるまで加療せず放つておかれる場合も少なくなく,患者自身の苦痛を思うにつけても適正な治療と看護によつて一日も早く治癒を願わずにはいられません。
私達の病院では年間約60名の加療が行なわれておりますが,これを乳児の股脱,及び年長児の股脱に分けて,一般外科,小児科と異なる点をとりあげ,主に患者の母親,家人に対する看護指導の面から書いてみたいと思います。
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