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病院緑化
吉田 幸雄
1
1病院管理研修所
pp.48
発行日 1960年4月15日
Published Date 1960/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911080
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一般に日本の病院は“殺風景”であるといわれています。それは何故でしようか? それは病院が病人の家に完全になつていないからでしよう。病院は病人の家である筈です。ドイツ語では病院のことをKrankenhaus病人の家といい,英語ではHospitalといつて,心から人をもてなす家という表現をしています。日本では,病の院(いえ)という言葉が用いられていますが,どうも“病”だけが入院していて「人を忘れている」ようにも誤解したくなります。
人間は感情の動物ともいいます。特に病人はその感情が不安定で,非常にたかぶることもあるものです。そうなると,この病人を収容する病院では,特にこの感情あるいは情緒の問題をハツキリとり上げておかねばなりません。しかも看護婦は,病人の最も身近かな者としてお世話をして上げる人ですから,病人に精神的安静と慰安を与えねばなりません。また重症の患者には生気を呼びおこさせ,「生」の希望を与えねばならないことは申すまでもないことです。
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