教養講座
マス・コミユニケーシヨンの力
奥山 益朗
1
1朝日新聞社
pp.48-51
発行日 1957年6月15日
Published Date 1957/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661910374
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おそらくみなさんの姫鏡台の上には,何種類かの化粧品が並んでいることでしよう。フアウンデーシヨンにクリームに……。さて,そのどれかを取つてみましよう。定価200円のクリームとすると,小売店のもうけが何割,税金が何割,宣伝費が何割と引いていくと,原価などは4分の1か5分の1のものです。まあ,みなさんはクリームをつけているのではなく,税金や宣伝費をぬつているようなものですね。
「まあ,もつたいない」とみなさんは思われるかもしれません。まず,このうちの宣伝費がきようの話題なのです。「クリームの質をよくして,宣伝をやめたら」とか「宣伝費だけ安くしたら」とか考える方もあるでしよう。たしかにそれは結構なことです。安いクリームが手に入り,女性がみんな美しくなることに反対する人はいないでしよう。
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