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完全看護と幼児の療育—国立東京第一病院二宮分院の概況
中鉢 不二郎
1
1国立東一二宮分院
pp.11-12
発行日 1957年5月15日
Published Date 1957/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661910349
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完全看護は近頃多くの病院で行われていますがその目標は,看護の諸姉は皆充分御承知で毎日実行しておいでのことと思いますが,その毎日にあたつて見ると,その結果が希望するようにならぬ場合が稀に,いや時々あるかと思いますが如何ですか。この感じは大人に多いでしようか小供に多いでしようか。
一般に看護とは病者の精神や身体に適度の安静を与え,病人に苦痛や不快を出来るだけ少く感じさすことを目的として,一般的看護法とその病人の個人々々の差異による看護法とを組合せて工夫されて行うことだと思います。そして医学的に必要とする又は望ましい生活様式の方向に導きつつも,あまり不快にならぬ様に習慣付けることも考え工夫しなければならぬものであります。このような病人の取扱いが家族の付添があつて都合のよい場合と悪い場合とがあります。その良否は一寸では判断し兼ねることがあります。又他方には患者側として付添不可能の事情のこともある。完全看護の理想は,中庸を得た患者に適当した看護を病院側で行うと云うことになる。このことは大人に対してもむずかしいことではあるが,希望を云うことが出来るので,不備をおぎなうことが出来るがしかしかえつて満足さすことが困難なことも稀にはあるでしよう。他方子供に対しては乳児から学童迄の年齢差によつて看護の様式や心ずかいに差異があつて,その完全看護はやさしいようでむずかしいものであります。
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