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空の旅行者の看護
長谷川 安野
1
1日本航空東京支社
pp.17-20
発行日 1956年7月15日
Published Date 1956/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661910142
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わが民間航空が大空に羽ばたいてから,まだ幾年も経たないのに,その発展には目覚しいものがあり,戦後10年間のブランクを急速に取り戻しつゝあります。最近では日毎に快適で便利な空の旅行を楽しむ人達が増し,一段と実用化されつつある状況です。昨年の夏体験塔乗として,飛行機で関西旅行をした際,夕暮の中に沈んで行く京都の街を後に,大阪に向う電車の中で今日中に東京に帰る事が出来るなんて,昔なら夢のような事だと思いながら,飛行機の素晴しさに感心したのですが,そのうちに一寸飛行機で映画や買物になんていう時代も来るかも知れません。しかし平均8000フイートの高空を200マイル以上の速度で飛んで行くのですから,地上の汽車や自動車等の場合との環境の相違という事が考えられるのです。それには空気の成分や気圧温度等色々の条件があげられます。船や車に酔うように,飛行機にも空酔なるものがあつて,空の旅行者を悩ますことがあるのですが,困つた事には,気分が悪いからと言つて,自由に途中下車が出来ない事です。しかし大空の花として,若い女性の憧れの的となつているスチュアーデス達が,旅の案内者として,又良き看護婦ともなつてくれるので,より楽しい安全な空の旅行をする事が出来るのです。そのために彼女達は,あらゆる技術や教養を身につけます。例えば慈惠医大では機内救急看護法を修得いたします。
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