講座
かゆみと看護
渡辺 昌平
1
1京都大学医学部皮膚科
pp.6-9
発行日 1956年3月15日
Published Date 1956/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661910073
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
I.まえがき
「かゆみ」(瘙痒)は諸種の疾患殊に皮膚科領域に於いては非常に重要な症状である。
一般に傍で看護するものにとつては患者の「かゆい」と云う訴えは余り重要な症状でない様に思われ等閑視され勝であるが,患者自身にとつては屡々痛み以上に耐え難い苦しみであり,之を一刻も速かに解放してやる事により如何に患者に感謝されるかは測り知れないものがある。「かゆみ」が如何に苦痛であるかは一度自分が湿疹,蕁麻疹等の療痒性疾患に罹つた事のある人ならば充分理解されるであろう。又そう云う経験のない人でも蚊等に刺された時を想像したなら思い半ばに過ぎよう。
Copyright © 1956, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.